こんにちは。 食卓コンサルタントのみつはし さなこです。
どうしたら料理が上達するのかわからない、という方へ。
- 料理が苦手なうちはしっかり重さと時間をはかろう
- 揃えるべき計量道具と選ぶポイント
- 「はかる」&「味見」は料理上達に繋がる
- 料理が上達しない
- どうしたら料理が上達するのかわからない
- 自分の作った料理が美味しくない
- 料理の下手な原因がわからない
- 結婚してから料理を始めた元「料理下手」主婦
- 野菜ソムリエなど資格をとり、独学で自炊料理を学ぶ
- 現在はお客さま宅での訪問料理も担い、料理を仕事にしている
殆ど料理をしないまま結婚してしまった私。
毎日レシピを見ながら作っていましたが、全く上達しませんでした。
資格を取ったり料理教室に通い始めてから、上達するためのコツを知り日々継続し、昔と比べて料理が格段に上達しました。
現在では仕事として、たくさんのクライアントさまのご自宅で料理をしています。
そんな料理苦手だった私が、料理を上達するために継続したことを今回はお伝えします。
料理は重さや時間をはかろう
料理ではたくさんの食材を使い、調理をします。
そのとき、材料や調味料は必ず重量を、調理は必ず時間を測りましょう。
一応毎日料理はしてるし、毎回はかるのは正直面倒くさい…という気持ちはよく分かります。でも、もし自分の料理が上達していないと感じるなら、まず自分の料理を数値化した方がいいです。元料理が苦手だった私が考えるはかるべき理由は次の通り。
理由①:重さや時間を数値化することで、味や料理の仕上がりが安定する
材料の重さは、毎回同じとは限りません。肉や野菜が多めの日もあればそうじゃない日もあります。
そんなときに毎回同じ量で味つけをしていたら、当然ながら味は安定しませんよね。
全部の材料を毎回重量計るのは面倒なのは分かります。
ですが、例えばメインおかずを作る場合、肉の重さや野菜の重さ、そして肉と野菜の比重など把握しておくと、調味料の調整がしやすいです。
また加熱中の時間についても、タイマーで測っていきましょう。
毎回測っていると、この食材、このくらいの大きさでカットした場合といった条件で、大体の加熱に必要な時間が予想できるようになります。
加熱時間はレシピなどに書かれていることもありますが、鍋の大きさや水分や材料の量、そして火加減でも適切な時間は変わるので、自分のキッチンを基準に目安を作る方が上達が早いです。
理由②:料理が失敗したときに原因特定しやすい
毎日料理をしていれば、当然うまくいかないときもあります。
そんなときに重さや時間をはかっておくと原因が特定しやすく、次回につなげることができます。
特に失敗しやすいのは次の2つかと思います。
失敗しやすい例
- 味つけの調味料の量
(材料の重さや調味料の量を計ることで改善できる)
- ちょうどいい火加減と加熱時間
(火加減と加熱時間をセットで振り返ることで改善できる)
特にはかるべきものはコレ
上の失敗しやすい例にもありますが、私が思う特にはかった方がいいと考えるものは次の3つです。
①野菜を塩揉みする場合
野菜で和え物を作ったり、ポテトサラダやマカロニサラダなどで野菜を脱水した方がいい場合は、予め野菜を塩揉みしておきます。目安となるちょうどいい塩の量は、野菜の重量の1%。そのため、野菜の重量を計測しておくことで、ちょうどいい塩加減の塩を加えることができます。
②調理中に味つけをする場合
調理中に調味料を味つけする場合、配合比で覚えておくと味つけしやすいです。
例えば、きんぴらごぼうは酒と醤油1:1が作りやすい配合比になります。
サラダのドレッシングなら酢1に油3。
野菜の重量は毎回変わっても、配合比だけ押さえていれば、調味料の計量だけで問題なく味つけできます。
③加熱調理をする場合
加熱調理は使う鍋・フライパンや水の量、その時の火加減で加熱時間や仕上がりが変わります。
毎回時間を測っておくことで、その時の食材の量や火加減での調理時間を把握します。
何度も測るうちに調理時間の目安が分かるようになり、次回別の料理や違う分量で作る時にちょうどいい火加減と目安時間が自分で見通し立てられるようになります。
揃えたい計量道具と選ぶポイントはこれ
計量グッズは既に何かしら持っている方も多いと思います。
ここでは私が使っている計量グッズから、実際に使う時に重要と思うポイントを解説していきます。
計量スプーン(粉用・液体用)
大さじ、小さじをはかる時に使うもの。
おそらく自炊する多くの方が持っていると思いますが、大さじスプーンと小さじスプーンだけ1本ずつでは正直足りません。
調味料には塩や鶏がらなどの粒状のものと、醤油や酒などの液体状のものがあります。
料理の最中、液体調味料を計量して濡れたスプーンで塩を計りたくは…ないですよね。
だから粒状と液体状で計量グッズを使い分けます。
- 計量スプーンは粒状専用にする
- 液体調味料はミニサイズの計量カップを用意
計量は、料理の中でほぼ毎回発生します。毎回洗って拭くのは小さなストレスなので、調味料の形状に合わせて使い分けて計量ストレスをなくしてしまいましょう。
大さじ&小さじスプーンは小さじ1未満のサイズも必要
計量スプーンには小さじ1未満のサイズも売られています。かさばるしわざわざ用意しなくても…と思う人もいるかもしれません。小さじ1/2くらいなら目分量でもいけなくはないのですが、やはり私は小さじ1未満の計量スプーンを持つことをおすすめします。この小さい計量スプーンで計りたいものは、ずばり「塩」。
食材の旨味を引き出す「塩」はなるべく正確に計量するべき
私は調味料の中で塩を一番使っています。
塩は摂りすぎには注意ですが、適量を使うと、塩が食材の旨味を十分に引き出して、食材を美味しくいただくことができます。
この旨味を引き出すコツは、食材の重量の1%の塩を加えること。
1%の塩を計るには1g単位、時には0.1g単位で計量が必要です。
塩を小さじ1杯の計量スプーンで計ると約5gですが、小さじ1/4杯なら、約1gを目安と考えることができます。
なので、食材をシンプルに美味しくいただくなら、塩を正確に計れる小さな計量スプーンがおすすめです。
OXO 計量スプーン ステンレス メジャースプーン マグネット シルバー
計量カップ
計量カップは水や液体を計量するもの。サイズ別に最低2種類あると実用的だと思います。
50ml以下の計量カップは調味料の計量におすすめ
50mlは大さじ3程度の量に相当します。
おかず用の味つけ調味料や、ドレッシングを手作りする時に便利なサイズです。
このミニカップの中で全て混ぜれば計りやすく楽ちん。
AmazonにはOXOや貝印のメジャーブランドもありますが、どれも大さじ表記しかありませんでした。
個人的には小さじ表記はあった方がいいです。
300ml〜500mlの計量カップは煮物や汁物に
おそらく計量カップで一番多いサイズ。煮物や汁物など広く使うことができます。
1000mlの計量カップは作りおきするファミリー向け
これはなくてもいいかなと思いますが…ファミリー層で一度にたくさん作る方はあると便利です。
実際私は味噌汁の出汁などは1Lくらいまとめて作るので、1000mlのピッチャーが重宝しています。
なくても小さい計量カップで何度も計ったり、いつもの鍋で代用もできますが、あると便利な道具です。
紫蘇ジュースを作るときにも重宝します。
鍋からドバッと注ぐようなものがある人にはおすすめです。
デジタルスケール
デジタルスケールも、おそらく多くの方が持っているのではと思います。
さっき塩の部分でお話ししたように、正確に計るなら0.1g単位がおすすめなのですが、ひとまずは1g単位で測れれば十分かなと思います。理由は次の通りです。
理由①:0.1g単位で計れるものは限度がある
私が使っているのは国内メーカーの0.1g単位のものですが、0.1g単位で計れるのは200gまで。
200gを超えると0.5g単位に勝手に変換します。
なので正確性は落ちますが、普通の家庭料理では、200gを超えるあたりからは0.5g以内の範囲は誤差と捉えてもあまり差し支えないかなと思います。
理由②:価格が高い
Amazonのサイトで同じメーカーを比べた場合ですが、1g単位のデジタルスケールは1,000円ちょっとなのに対して、0.1g単位になると2,000円を超えます。
毎日使うものに対して1,000円プラスと捉えるか約2倍と捉えるかは人それぞれですが、正確性を求めたとしても一定の重量を過ぎれば正確性は落ちてしまうのは事実です。
毎日料理をしている立場として、より正確に計れる0.1g単位のデジタルスケールは確かに便利です。
しかし、既に1g単位のデジタルスケールを持っているなら、まずはそのままで十分です。
キッチンスケールがない!という人はとりあえず1g単位のものを持っておきましょう。
タイマー
私はこれまで数十軒のお客さまのキッチンを見てきましたが、タイマーは意外と持っていない方が多い気がしています。
時間を計るのは部屋の時計でもできます。
しかし、タイマーが便利なのは、終わりまでの残り時間が分かりやすいこと、そして時間になったらアラームを出してくれるところ。
特に食事づくりは一度に複数の料理を作ることが多いので、一つの作業をしていると他の作業を忘れがちです。
特に料理が苦手なうちは、時間管理はタイマーに任せておくと安心して他の作業に集中できますよ。
私が使っているのは普通のデジタルタイマーですが、コンロで同時調理ができるよう2つタイマーを持っています。
1個500円くらいのシンプルなものならこんな感じ。
「はかる」作業は必ず「味見」とセットで実践する
はかるとセットで必ず実践してほしいのが「味見」。
これは数値で出たものを自分の舌で確かめる作業です。
野菜に塩を振った時の塩加減や、調味料の味つけ、肉の火の通り加減など、重さの計量や時間を計測したら、必ず味見をしましょう。
味見をしたら塩加減はちょうどいいか、味つけは濃いか薄いか、肉は硬くなっていないか、自分の感覚で確かめてみてください。
ちょっと違う、と思ったら次回に繋げればいいのです。
この時にしっかり重さや時間をはかっていれば、次回作るときの参考値になります。
毎回料理ではかるのと味見を繰り返すのは、正直言って面倒ではあります。
手が汚れている時にデジタルスケールやタイマーは触りたくないですし、洗い物が増える場合もあります。
味見も何となく予想がついているかもしれません。
でも、本当に料理を上達したいなら、ここは怠らずに実践した方がいいです。
プロフェッショナルは目分量で美味しい加減にすることができますが、あれは何十年単位での経験があるからこそ。
料理が苦手なうちは何度もはかり、自分の舌で確かめながらはかった数値と味を比べることが必要です。
何度も何度もはかるうちに、次第に美味しい加減ができるようになります。
正直な話をすると、今の私は仕事ではあまりはかる作業をしていません。
これはお客さまのキッチンによっては、大さじの計量スプーンしかなかったりタイマーがなかったりとまちまちだからです。
それでも料理ができているのは、これまでに何度も計量、計測をし続けて、目分量でも料理ができるようになってきているからです。
それでも実際は作業しながら何度も味見で確かめてはいますが(笑)
あなたは料理をする時に「はかって」「味見」をしていますか?
これを続けていれば、必ず料理は上達すると断言できます。地道な作業ですが、自分の感覚を信じて実践してみてくださいね。
合わせて読みたい
こんにちは、食卓コンサルタントのみつはしさなこです。 料理の基本を本でじっくり学びたい、という方へ。 料理本は基本だけでも本当にたくさんの数の本が出版されています。 […]